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 「雄飛」の期シリーズ 10
 ヨットで世界一周 野瀬健嗣(10期

 人は誰しも小さい頃夢を持っている様に、私も一つの夢がありました。夢は「世界一周ヨット旅行」です。それは小学生の頃雑誌「ヨットとモーターボート」との出会いから始まります。
 昨年6月ついに長年の夢が叶いました。自分で設計、建造したドリーム号がカナダのトロント市で進水し、10月8日多くの友人知人の見送りを受け我がドリーム号は世界一周旅行の旅に出発しました。思えば長い道程でした、設計の勉強、資金作り、建造に3年間、過去37年間にいろいろの思い出があります。ドリーム号は60フィートの2本マストで船体はアルミ合金で建造されており不沈構造です、又設備は最新鋭の電子機器(レーダー、G・P・S・造水器、自動操舵、自動SOS発信など)が積まれており、すべてバックアップシステム出来る様になっております。
 私はカナダのトロントに在住すること14年、お好み焼き店と水産貿易の会社を経営しております。その各々をマネージャーに託し一年間の休暇を取りました、又子供たち三名(当時、長男18才、次男16才、長女15才)も休学してもらい知人のクルーと妻、合計6名が乗組員です。
 最初は機走でトロントからオンタリオ湖を横断し、運河とハドソン河を通ってニューヨーク、そしてマスト、航海計器の設置などドリーム号の完成をさせるべくエセックスへ向いました。約一ケ月かかってドリーム号はマストも立ってハンサムになり完成しました。そこでニューヨークに戻って食料水、燃料など満載し11月14日ニューヨークからバミューダに向かう最初の外洋航海に乗り出しました。日本迄のコースはニューヨーク→バミューダ島→カリブ海の島々<アングイラ、セント・マーチン、セント・バーツ、セント・キイツ、ネイビス、グアデレクープ、グレナダ、マチィニーク、セント・ルシア、セント・ビーセント>→ベネズエラ→ABC諸島→パナマ→ココス諸島→ガラパスコ諸島→マーケサス諸島→タヒチ島<モーレア、ボラボラ>→スワロー島→U・Sサモア→WESTサモア→ツバル諸島→マーシャル諸島→グアム→そうふ岩→日本<下津港>で7月18日着きました。秋の紅葉で美しかった運河、自由の女神の前を不安と希望で外洋に出ました。夕日と共に水平線に沈んでいったニューヨーク、航海中最初にして最後のハリケーンに見まわれ2日間戦って無事バミューダに着いた時の苦しかった事と喜び、常夏の島々、カリブ海、物価の安い南米、パナマ、ココス島の滝、ガラパゴスの珍しい動物たち、19日間の航海の後に着いた美しい南海の楽園マーケサス諸島、タヒチ諸島、一家族8名が任人のスワーロ島、そこでは毎日釣り、ダイビングで過ごしました。久しぶり文明に接したグアム、そして父母の待ち受けている母国日本着、友人の歓迎、とても書ききれません。子供たちにも一生の良い思い出になった事と思います。
 今、私は残り半周を老後妻と二人でもっともっとゆっくり時間をかけ東南アジア、インド、地中海の国々、ヨーロッパへと航海しようとの夢を楽しみに待ち続けて日々頑張っております。 

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